食材高騰問題を考える

日記

料理人が考える食材価格高騰問題 – 私たちの食卓はどうなる?

こんにちは!CASA K店主です。

皆さんもニュースなどで目にしていると思いますが、最近、様々な食材の価格が高騰していますね。私たち料理人にとって、食材はまさに商売道具の根幹。この価格高騰は、日々の献立やお店の経営に直結する、非常に深刻な問題です。

今回は、一料理人の視点から、この食材価格高騰が私たちの食卓、そして日本の食文化にどのような影響を与えるのか、考えてみたいと思います。


なぜ食材の価格は上がっているのか?

まず、なぜこれほどまでに食材の価格が上がっているのでしょうか。報道されている主な要因としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 異常気象による不作・不漁: 近年の猛暑や長雨、海水温の変化など、異常気象が農作物や水産物の生育・漁獲に大きな影響を与えています。収穫量や漁獲量が減れば、当然価格は上がります。
  • 生産コストの増加: 肥料や飼料、燃料費、輸送費など、食材を作る・運ぶためのコストが上昇しています。これも価格に転嫁せざるを得ない状況です。
  • 国際情勢の影響: 世界的な食料需要の増加、特定の国の輸出規制、円安などの国際情勢も、輸入食材を中心に価格を押し上げる要因となっています。
  • 鳥インフルエンザなどによる供給減: 特定の病気や災害が、家畜や農作物に甚大な被害を与え、供給量を一気に減少させるケースもあります。

料理人の現場で感じる「痛み」

私たち料理人は、この価格高騰を肌で感じています。

例えば、これまで当たり前のように使っていた野菜や肉、魚が、手に入りにくくなったり、仕入れ価格が大幅に上がったりしています。特定の時期に旬を迎えるはずの食材が、高すぎて手が出せないということも珍しくありません。食材の仕入れは、料理の原価に大きく影響するため、このままではお客様にご提供する料理の価格を見直さざるを得なくなる可能性も出てきています。

「あの料理が食べたいのに、材料がない」「この値段ではお客様に出せない」――日々の厨房で、こんな悩みに直面することも増えました。日本の豊かな食文化は、四季折々の食材によって支えられてきました。その食材が高騰したり、手に入らなくなったりすることは、料理の多様性や質にも影響を与えかねないのです。


私たちの食卓に与える影響

この食材価格高騰は、私たち料理人だけでなく、皆さんのご家庭の食卓にも大きな影響を与えます。

  • 家計への負担増: スーパーで買い物をする際、これまでより高い値段で食材を買うことになります。特に、毎日使うような基本的な食材の価格上昇は、家計に直接響きます。
  • 外食産業への影響: 飲食店では、料理の価格が上がったり、提供される食材の質や量が以前と変わったりする可能性も考えられます。
  • 食の選択肢の変化: 高価な食材を避けて、比較的安価な食材を選ぶ機会が増えるかもしれません。しかし、食の楽しみや栄養バランスを保つ上では、選択肢が狭まることは望ましくありません。

料理人としてできること、そして未来へ

この状況に対し、私たち料理人として何ができるのでしょうか。

もちろん、やみくもに値上げをするだけではいけません。

  • 代替食材の検討: 割安で品質の良い食材を探し、お客様に納得いただける形で提供できないか模索しています。例えば、特定のブランド肉が高ければ、それに近い味わいの別地域の肉を試すなどです。
  • 食材の有効活用: 一つの食材を余すところなく使い切る「フードロス削減」は、原価を抑えるだけでなく、持続可能な食のあり方にも繋がります。野菜の皮やヘタ、魚のアラなども美味しく調理する工夫を凝らしています。
  • 新しいメニューの開発: 特定の食材に頼りすぎず、その時々で安定して手に入る旬の食材を主役にした、魅力的なメニューを開発することも重要だと考えています。
  • 生産者との連携強化: 安定した仕入れルートを確保するため、信頼できる生産者の方々と直接繋がり、顔の見える関係を築くことで、互いに助け合える関係を構築していきます。

しかし、これは一時的な対応に過ぎません。根本的な解決には、異常気象への対策、安定的な生産体制の確立、流通コストの削減など、国や農業・漁業全体で取り組むべき課題が多くあります。

私たち料理人は、美味しい食材を安定してお客様に提供できるよう、生産者の方々への敬意を忘れず、この問題と向き合っていきたいと思います。


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