
自然派ワインの世界へようこそ!〜知ればもっと美味しくなる、その魅力と選び方〜
皆さんはワインを飲むとき、どんなことを考えますか?ブドウの品種、産地、ヴィンテージ…色々ありますよね。でも最近、「自然派ワイン」という言葉を耳にすることが増えてきたのではないでしょうか。
「自然派ワインって何?」「オーガニックワインと違うの?」「ちょっと高そう…」
そんな疑問をお持ちの方も多いかもしれません。実は、僕も以前はそうでした。しかし、その魅力を知れば知るほど、もっと自然派ワインの世界に触れてみたくなります。
この記事では、ワイン初心者の方にも分かりやすく、自然派ワインの基礎知識からその魅力、そして選び方までを詳しく解説していきます。この記事を読めば、あなたもきっと自然派ワインの奥深さに魅了されるはずです!
ConoHa WING
1. 自然派ワインって、そもそも何?
「自然派ワイン(ヴァン・ナチュール)」には、明確な定義や国際的な認証機関があるわけではありません。しかし、一般的には以下の考え方に基づいて造られたワインを指します。
- ブドウ栽培: 化学肥料や農薬を使わず、可能な限り自然な状態でブドウを栽培する。有機栽培(オーガニック)やビオディナミ農法を取り入れていることが多いです。
- 醸造: 人為的な介入を最小限に抑え、ブドウ本来の力と自然の微生物の働きによってワインを造る。具体的には、
- 天然酵母: 人工的な培養酵母ではなく、ブドウに付着する天然の酵母で発酵させる。
- 酸化防止剤(亜硫酸塩)の添加を極力抑える、または無添加: ワインの酸化を防ぐために使われる亜硫酸塩(SO2)を、ごく少量にするか全く使用しない。
- 無清澄・無濾過: ワインを清澄剤で透明にしたり、フィルターで濾過したりせず、ブドウ本来の成分や風味をそのまま残す。
- テロワール: その土地固有の気候、土壌、地形などがブドウに与える影響(テロワール)を最大限に表現することを目指す。
簡単に言えば、「ブドウが育った土地の個性をそのまま瓶詰めした、限りなくブドウジュースに近いワイン」と言えるかもしれません。
2. オーガニックワイン、ビオワインとの違いは?
よく混同されがちな「オーガニックワイン」や「ビオワイン」。これらと自然派ワインは何が違うのでしょうか?
- オーガニックワイン(有機ワイン):
- 「有機栽培されたブドウ」を使用し、特定の認証機関の基準を満たしたワインです。
- ブドウ栽培に関しては化学肥料や農薬の使用が制限されますが、醸造過程においては、一般的なワインと同様の添加物や醸造方法が認められている場合もあります。
- 日本でも「有機JAS認証」など、各国の認証マークがあります。
- ビオワイン:
- 「ビオディナミ農法」という、月の満ち欠けや天体の動きを考慮し、宇宙のエネルギーを取り入れる独自の農法で栽培されたブドウを使ったワインを指すことが多いです。
- これも有機栽培の一種ですが、より厳格で哲学的なアプローチが特徴です。
- ビオディナミワインも、醸造過程で添加物や介入が認められる場合があります。
まとめると…
- オーガニックワインやビオワイン: 主にブドウ栽培において、化学物質の使用を制限していることを指します。
- 自然派ワイン: ブドウ栽培に加え、醸造過程においても人為的な介入を極力避け、より自然な方法で造られたワイン全般を指す、広い概念です。
つまり、自然派ワインの中にはオーガニック認証やビオディナミ認証を取得しているものも多くありますが、認証がなくても自然な造りを追求しているワインも含まれます。
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3. なぜ今、自然派ワインが注目されているの?その魅力とは?
自然派ワインが世界中で注目を集めているのには、いくつかの理由があります。
- ブドウ本来のピュアな味わい: 添加物が少ないため、ブドウそのものの風味や、その土地のテロワールがダイレクトに感じられます。雑味が少なく、クリアで瑞々しい味わいが特徴です。
- 多様な個性と驚き: 醸造家の哲学や、その年のブドウの出来、そして天然酵母の働きによって、同じ作り手でもヴィンテージごとに異なる個性を持つワインが生まれます。開栓するたびに、新しい発見と感動を与えてくれるでしょう。
- 体に優しい(と言われる): 亜硫酸塩の添加が少ない、または無添加のものが多いため、「二日酔いしにくい」「翌日に頭が痛くなりにくい」と感じる人もいます。(もちろん個人差はあります)
- 食との相性の良さ: 主張しすぎない優しい味わいのものが多く、和食からエスニック料理まで、幅広いジャンルの料理と合わせやすいのも魅力です。
4. 自然派ワインの選び方と注意点
自然派ワインに挑戦してみたいけど、どう選べばいいの?という方のために、選び方のヒントと注意点をご紹介します。
選び方のヒント
- 専門ショップやワインバーで相談する: 自然派ワインに詳しい店員さんがいるショップや、自然派ワインを多く取り扱うワインバーでは、好みに合わせておすすめを教えてくれます。
- 信頼できるインポーターや生産者をチェックする: インポーター(輸入業者)がどんなワインを扱っているか、生産者がどんな哲学でワインを造っているかを知るのも面白いです。インポーターのウェブサイトやSNSを覗いてみるのも良いでしょう。
- 「SO2無添加」「酸化防止剤無添加」の表記に注目: 特に亜硫酸塩の添加量を気にする方は、エチケット(ラベル)にこれらの表記があるか確認しましょう。
- 濁りや澱は「個性」!: 無清澄・無濾過のワインは、濁っていたり瓶底に澱が溜まっていたりすることがあります。これは品質に問題があるわけではなく、ブドウ本来の成分や酵母の証拠であり、自然派ワインの個性の一つです。
- まずはライトなものから試す: 最初は、軽やかでフルーティーな白ワインやロゼワイン、または軽めの赤ワインから試してみるのがおすすめです。
注意点
- 品質のばらつき: 自然な造りである分、工業的に安定した品質を保つことが難しい場合もあります。ごく稀に、ブレット(揮発酸)と呼ばれる酢酸の匂いや、ネズミ臭(マウス臭)が感じられるワインに出会うこともあります。これも自然派ワインの個性の一つと捉えることもできますが、あまりに強い場合は、好みではないかもしれません。
- 保管方法: 亜硫酸塩の添加が少ないため、一般的なワインよりも温度変化に敏感です。急な温度変化を避け、涼しい場所で保管しましょう。購入したら早めに飲むのがおすすめです。
- 開栓後の変化: 開栓後も、一般的なワインよりも早く風味が変化する可能性があります。開栓したら、できるだけ早めに飲み切るのが良いでしょう。
5. 自然派ワインをさらに楽しむために
自然派ワインは、その背景にあるストーリーや造り手の想いを知ることで、さらに深く楽しめます。
- 造り手の哲学に触れる: それぞれの造り手が、どんな土地で、どんな想いでワインを造っているのか、調べてみるのも面白いです。
- ペアリングを楽しむ: 自然派ワインは、和食や野菜料理、チーズなど、素材の味を活かした料理と相性が良いものが多いです。色々な組み合わせを試して、自分だけのベストペアリングを見つけるのも楽しいです。
- 五感で味わう: グラスに注いだ時の色合い、香りの複雑さ、口に含んだ時のテクスチャー、そして余韻まで、五感をフルに使って味わってみましょう。
まとめ:自然派ワインは「自由で、個性的」なワイン
自然派ワインは、工業製品のように均一化されたワインとは一線を画す、自由で、そして個性豊かなワインです。
まだ見ぬ味わいや、造り手の情熱、そしてテロワールのストーリーが、一本のボトルにぎゅっと詰まっています。
最初は少し戸惑うこともあるかもしれませんが、その奥深さに触れるうちに、きっとあなたも自然派ワインの虜になるはずです。
ぜひ、この記事をきっかけに、あなたのお気に入りの自然派ワインを見つけて、その豊かな世界を体験してみてください!

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