岡本太郎『自分の中に毒を持て』

日記

【書評】20代で出会い、人生の指針となったバイブル!岡本太郎『自分の中に毒を持て』

岡本太郎とは?〜「芸術は爆発だ!」だけじゃない、その本質に迫る〜

「芸術は爆発だ!」この言葉で多くの人が思い浮かべるであろう岡本太郎。彼は単なる奇抜な芸術家ではありません。1911年に漫画家・岡本一平と歌人・かの子の長男として生まれ、幼少期をパリで過ごし、ピカソをはじめとするヨーロッパの前衛芸術に触れました。帰国後は、日本の伝統や風土に根ざした独自の芸術を追求し、縄文土器にも深く傾倒しました。

彼の作品は絵画、彫刻にとどまらず、大阪万博の「太陽の塔」に代表されるパブリックアート、さらには著作活動と多岐にわたります。その生涯を通じて、常に既成概念を打ち破り、「人間とは何か」「生きるとは何か」を問い続けました。彼の言葉は、作品と同様に力強く、私たちに根源的な問いを投げかけます。

『自分の中に毒を持て』要約〜「毒」が教えてくれる真の自己〜

岡本太郎が遺した数々の言葉をまとめた本書は、単なる自己啓発本ではありません。彼が提唱する「毒」とは、社会の常識や他人の価値観に流されず、自分自身の内奥に潜む「反骨精神」「問い続ける力」を指します。

  • 「人生は積み重ねではない、積み減らすものである」:過去の成功体験や固定観念に縛られず、常にゼロから物事を捉え直すことの重要性を説きます。
  • 「人間は瞬間瞬間に、ほかならぬ自分自身を新しく創造してゆくのだ」:停滞を否定し、常に変化し、挑戦し続けることこそが生きる醍醐味であると語ります。
  • 「自分自身に賭けろ」:他人に依存せず、自分の直感を信じ、リスクを恐れずに踏み出す勇気を鼓舞します。

これらの言葉は、私たちに安住を許さず、常に自らを疑い、挑み続けることの必要性を突きつけます。一見厳しく聞こえるかもしれませんが、それは自分らしく、力強く生きるための本質的なメッセージなのです。

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料理人、そして経営者として『自分の中に毒を持て』から学ぶこと

20代で本書と出会って以来、僕の人生のバイブルとなっている『自分の中に毒を持て』。特に、これから料理人、そして経営者として生きていく僕にとって、この本から学ぶことは計り知れません。

料理人としての「毒」

料理の世界は、伝統や基本が重んじられる一方で、常に新しい発想が求められます。

  • 既成概念の打破:既存のレシピや調理法に安住せず、「なぜこの組み合わせなのか?」「もっと他に可能性があるのではないか?」と常に問い続けること。定番の料理にも、自分なりの「毒」を加え、唯一無二の一皿を創り出す勇気を持つことこそが、真の料理人に求められる姿勢だと感じています。
  • 素材との真剣な対峙:素材の持つ生命力と向き合い、その声に耳を傾ける。単なる食材としてではなく、生きているものとしての素材から何を引き出すか、そこに妥協しない「毒」が必要です。

経営者としての「毒」

経営者として、未来を見据え、決断を下す上で、この本のメッセージは強力な羅針盤となります。

  • 常識への疑義:飲食業界の「当たり前」とされる慣習や経営手法に対し、「本当にそれが最善なのか?」と常に疑問符を投げかけること。競合他社の動向や市場のトレンドを鵜呑みにせず、自分なりの視点で分析し、独自の戦略を打ち立てる「毒」が成功の鍵を握ると信じています。
  • リスクを恐れない挑戦:新しいメニューの開発、店舗展開、人材育成など、経営には常にリスクが伴います。「失敗したらどうしよう」という臆病な気持ちに打ち勝ち、「やってやろう」という「毒」を持って、果敢に挑戦する精神こそが、企業を成長させると確信しています。
  • 「損して得取れ」の精神:目先の利益だけでなく、長期的な視点で物事を捉える。時には一時的な損失を受け入れてでも、顧客満足度や従業員の幸福、社会貢献といった、より大きな価値を追求する「毒」こそが、持続可能な経営を可能にします。

『自分の中に毒を持て』は、読むたびに新たな発見がある、まさに「生きるための教科書」です。僕にとって、この本はこれからも僕自身の「毒」を研ぎ澄まし、料理人として、経営者として、そして一人の人間として、既成概念にとらわれずに力強く生きていくための原動力であり続けるでしょう。

あなたにとっての「毒」は何ですか?ぜひ、本書を手に取り、岡本太郎の問いかけに耳を傾けてみてください。きっと、あなたの人生を揺さぶる「何か」が見つかるはずです。


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